2021/04 2ストエンジンの腰上オーバーホール

出品中の車両と同一車種とは限りません。すべての車両に同等の整備を行っています。同型車種の整備として参考にしてください。

4ストの燃費性能も良いのですが、2ストの魅力といえばやはり加速力ですね。

今は排気規制で4ストが主流になってしまいましたが、まだまだ2ストも現役です。

どうしても4ストより寿命が短いと言われる2ストですが、ポイントを抑えた整備は2ストも4ストも同じです。

2ストエンジンは性質上オイルを燃焼します

ので4ストと違いカーボン、オイルの燃

焼カスが残りやすく、そのためエンジントラブルに繋がるケースがあります。

2スト整備ではカーボン除去は避けては通れません。

2スト車両は腰上オーバーホールが有効です。

加速力アップ、燃費回復、エンジン内部の消耗やダメージを診断する

為にも必ず行うようにしています

手間はかかりますが長く乗るためには大事なひと手間です。

シリンダーヘッド、シリンダーを外します、早速ピストンが見えますが真っ黒ですね、分かりにくいですがカーボンが固まって分厚い層を作っています。

着いているだけなら問題なくエンジンは動くのですがこのカーボンがピストンリングの動きを妨げたり、吸気や排気に詰まったりするいわゆるカーボン噛み、という状態になるとエンジンは動かなくなります

シリンダーヘッド、シリンダーはそこまでカーボンが着いていないようですが、所々厚みのあるカーボンと、シリンダーには小さな傷があるようです。

ここでケミカル用品にエンジンクリーナーキャブクリーナーという溶剤がある事をご存知ですか?
エンジンを分解しなくても吸気や排気口からエンジン内に注入、しばらくするとカーボンを溶かしてくれるというもの

なんですが、どれくらい落ちるものなんでしょう?
ご存知です?

つけてから放置すると・・・

驚きの洗浄効果!

全く変わってませんね。15分程度では落ちないんでしょうね。

ちなみにこの手のケミカル用品はエンジン内部のゴム系の部品を劣化させる副作用があります。

使用したら必ずオイル交換が必要です。

長時間放置すればもう少し落ちるのかもしれませんが、、、

エンジン内のゴムシールへのダメージが嫌なのであまり使用していません。

今回はネタでやってみただけです。

さて、カーボンを落としていきます。

はい、綺麗になりました。

特に特別な溶剤は使用していません。

エンジン内の部品にはノーダメージです。

シリンダー内も研磨し綺麗にします。

ピストンリング、クランクシャフト、クランクシャフトベアリングの

ガタのチェックも行います。

エンジン音でもある程度判断できる場合もありますが、

目視や手の感触でチェックします。

ベアリングのチェックの為にクランクケースを開ける訳にも行きませんので。。。

必要なガスケット類を交換しつつ組み立てて行きます。

オーバーホールしたと言っても外見は整備したとは分かりません。

ひと手間かかりますが、これでまた長く乗れるエンジンになりました。

加速力、燃費が回復し、寿命も伸びたと思います。

エンジン動けばOKなバイク屋も多いので

中古車購入の際はどこまで整備されてるか細かくチェックして下さいね。

キュルキュルキュルキュルいつまでもセルを回してかかるエンジンから、調子よくエンジンスタートする状態になりました。

これで安心してお引渡しできます。

エンジン腰上オーバーホールという整備、修理になります。

一般的に工賃だけで〇万円ですが、購入前にこの辺りまでやってあると2スト車でも安心ですね。