クラッチつきのバイクの運転は難しいですか?

と、これもよく聞かれます。だいたいマグナ50を見に来ていただいた方ですね。

意外に盲点です。自動二輪免許が無い人はバイク=50㏄=スクーター
で、ギア操作は無いのが普通なんですね!

最近は車もAT主流の時代ですし、バイクもATだと思いますよね。

だいたい届けた先で、クラッチ操作・ギア操作とか説明してますね。

半クラッチとか、「聞いたことはあります!」というお客さんも多いのでここで説明しましょう。

バイクのギア操作・クラッチ操作とは?

ギア:エンジンの駆動をタイヤに伝える最初の部品。場所はエンジン内部で見ることはできない。
1速~6速(50㏄は3速または4速が主流)まであり、スピードによってギアの担当が決まっている
1速:停止から発進まで
2速~:速度に応じてギアを上げていく(車両によりスピード範囲は違いますが運転していると慣れます)
N速:ニュートラルの頭文字、ギアがどこにも入っていない状態
クラッチ:レバーを握るとクラッチが「切れた」状態になる
クラッチが切れた状態:エンジン内部でタイヤ側に伝わる駆動を「伝えない」状態(停止・進まない状態)
クラッチがつながった状態:=レバーを離した状態エンジンの回転に応じてタイヤが回転する状態(走行状態)

クラッチが切れた状態=N(ニュートラル)は同じです(駆動をタイヤに伝えない状態)

と、ここまではだいたい知ってる方も多いんですが、問題なのが「半クラッチ」

半クラッチとは?
クラッチを半分「つないだ」状態、レバーを離した状態と握った状態の途中
わかりにくいのはちょうど半分ではないこと。
クラッチを握った状態から、少しずつ離していって進み始めるポイントが半クラッチです

なぜ半クラッチが必要なんでしょうね?

半クラッチで発進しないとエンストします!

半クラッチで発進しないとエンストする?
半クラッチを使わず、クラッチレバーをパッと離すとエンストします。
これは正常です。半クラッチをしないとバイクはエンストします。

エンジンからタイヤまでは、いくつもの歯車がかみ合ったような状態です。

最初の歯車がエンジンの中に。最後の歯車がタイヤとします。

バイク停止時は当然タイヤは止まっています。最後の歯車が止まっているわけです。
エンジンの力が強くても、止まっている歯車をいきなりエンジンの回転に合った速さで回すことはできません
そのため、止まっているタイヤにエンジンを止められてしまう。これがエンストです。

最初はゆっくり、勢いがついてきたら早く。歯車はそのようにしかまわすことはできません。

人間が下の図のような歯車を手で速く回したいときは、自然にゆっくりから徐々に速く回します。バイクでもそれは同じなんです。

クラッチは間に入って回転の差を調整する歯車
最初は高速回転のエンジンの勢いをなくさない程度にタイヤへ回転を伝える。⇒半クラッチ
タイヤが回り始めたらエンジンの回転をすべて伝える⇒クラッチをつないだ状態

理屈はこれだけ!難しく考えなくてもバイクは動きます。

理屈が良くわからない場合
①ギアをNでエンジンを始動します

クラッチを握りギアを1速に入れます

クラッチを少しずつ離していきます

④バイクがわずかに前に進もうとします←ここが半クラッチです

⑤そのままクラッチを離すとエンストしますので、④状態を維持してアクセルを少し回します

⑥バイクが歩く速度くらいに進み始めます

クラッチをゆっくり完全に離して、アクセルで速度を調整します

⑧一定の速度になったらクラッチを握りギアを1速上げます

⑨ギアを上げたら今度は半クラッチは不要です、すぐにクラッチを離します

アクセルで速度を調整します

⑩から⑧を繰り返してギアを上げていきます。

最初は停止と1速で練習してね!
止まるときにクラッチを切っていればエンストしないよ!

半クラッチはほとんど停止状態で練習できるよ!安全なところで落ち着いて操作して覚えよう!